2010年12月22日

『田村はまだか』朝倉かすみ

本屋さんで「なんか面白そうなのないかな~・・・」と文庫本のコーナーを物色しているときに、目に留まった本。

まず、タイトル。
なんとなく「田村」って名前がいい。

そして、表紙のイラスト。
けだるそうに足を組んで腰かけた、不精髭がのび始めた男。

はずれかな、でも、いいや、なんとなく気になるから買おう、、、とレジに持って行った本。

でも、読み始めて、著者の朝倉かすみさんに「ごめんなさい。みくびってました」と心の中で謝った。

人物描写が、うまい!

裏表紙の文章であらすじを紹介すると、
深夜のバー。小学校のクラス会3次会。男女5人が大雪で列車が遅れてクラス会に間に合わなかった同級生「田村」を待つ。各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たちのこと。.......


みんなで思い出す小学6年生の「田村」が、かっこいい。

「田村」みたいな男性に著者は人生のどこかで出会ったのかなぁ。

もし、私が小説を書く才能があったとしても、「田村」は作り出せないだろうな。

「田村」以外の人物もバーのマスターの視線から描かれたり、バーで「田村」を待つ男女それぞれの立場から描かれたり、角度が変わっても混乱しない。
構成も文章もうまいんだろうな。

だから、すーっといろんな自分の記憶と重ね合わせながら、じっくりと読んだ。
本を読む時間が結構長いから、2日くらいで読み切るけれど、気持ちがあっちこっちいってるので基本的には本を読むのは遅い。

読みながら『いろんな、かっこ悪いことも、理不尽なことも全部受け止めながら、断ち切れない思いもひきずりながら、毎日が続いていって、それでいいんだよなぁ』、とかいろいろ考える。

気持ちの中で白黒ハッキリつけようとしすぎるのが、自分の悪い癖だと最近やっと気づいたんだけど、この本を読んで、もっとキャパ大きくして、ゆったり生きなきゃなァとさらに思ったりもした。  

Posted by うー at 19:05Comments(1)TrackBack(0)小説

2010年07月16日

『嫌われ松子の一生』

年末に『嫌われ松子の一生』を読んだ。

寝る前に読む本がなくなった日に、本棚を探していてこの本が目にとまった。
以前映画化されるなどして話題に上っていた時期に本屋さんで買ったのだが、家に持ち帰って表紙を改めて見るとなんとなく気が滅入りそうなタイトルだったので、そのまま読まずに本棚に入れていたのだ。

読んでよかった。

作者の山田宗樹さんはすごいなぁ。
もっとこの著者の作品を読んでみたくなった。

松子が転落していくのは、自分の生きる方針を持たずにいきあたりばったりでいるから、その時々で付き合う男に流される、というあとがきの文章が心に残った。

「行き当たりばったりな生き方」というところが、自分の今までの生き方で反省すべき点だったとハタと思いあたることがあったから。

もっと、山田宗樹さんの本をいろいろ読んでみよう。  
タグ :山田宗樹

Posted by うー at 23:26Comments(0)TrackBack(0)小説

2010年07月16日

『小暮写真館』宮部みゆき

2010年 7月
『小暮写真館』 
宮部みゆき
講談社
¥1,900 購入


今までの宮部みゆきさんの小説とは、少し違う雰囲気を感じながら読んでいます。

違うというより、新しいと言った方がいいのかしら。

以前は小暮さんという方が開いていた『小暮写真館』の店舗にそのまま住んだ家族と友人たちと、周りのいろんな人のお話。
そして、心霊写真バスター。

でも、怖い話じゃないです。
むしろ、ほのぼの。

私は好きです。

分厚い本です。
713ページあります。
今は、568ページ目。

ワクワクして読みたい!と思う未読の本が常に2,3冊手元にあると、とても幸せな気持ちでいられます。
でも、それはなかなか難しく、時々途切れさせてしまい、ちょっとさみしくて落ち着かない気分になります。
分厚い本は読むときに支えるのが少し苦ですが、「しばらくは大丈夫」という気持ちにさせてくれます。
その点でも、この本はありがたい。


でも、そろそろ次の本を用意しておかないとな~しっしっし

  
タグ :宮部みゆき

Posted by うー at 23:20Comments(0)TrackBack(0)小説

2010年03月21日

東野圭吾『悪意』

作者:東野圭吾
1996年双葉社より単行本として出版
2000年講談社より文庫化

読んだ日:2010年3月20日

犯人の手記と刑事の記録と独白によって構成されているミステリー小説。
事件の展開を予測しながら読んでいくが、私の予測などことごとく蹴散らされて、思わぬ方向で話の核があらわれていく。

複雑に絡まりあう筋と、心理ゲームと、過去と。


昨日のお昼頃に買った本なのだけれど、これも途中で置くことができず、真夜中12時を超えてしまったが即日で読み終えた。
  
タグ :東野圭吾

Posted by うー at 16:59Comments(0)TrackBack(0)小説

2010年03月18日

『宿命』東野圭吾

作者: 東野圭吾
出版社: 講談社文庫

2010年3月に読む。1回目。

人の人生はいろんなところで重なり合って、出会って、別れて、でも、どこかでつながって、、、。

これも続きがもっと読みたくてなかなか本を閉じることができなかった。

でも、文春文庫の『秘密』より若干字が小さいので、さすがに一晩で読むことはできなかった。

面白いミステリーを買うと、寝不足になる。

  
タグ :東野圭吾

Posted by うー at 21:43Comments(0)TrackBack(0)小説

2010年03月18日

『秘密』東野圭吾

作者: 東野圭吾
出版社: 文春文庫

2010年3月に読む。1回目

ありえるようなありえないような不思議な設定の中で、じっくりと描かれる心理描写。

切なくて、愛にあふれていて、そして秘密のお話。

夜の10時過ぎに読み始めて、どう展開していくのか気になって本を閉じることができずに、読みきってしまった。
読み終えたとき何時になったのか知るのがこわくて、時計はあえて見なかったが、朝7時に起きたら目が腫れてて、その日1日過ごすのがきつかった。
そのくらい面白いミステリー。

もう恋から遠のいた人にも(私も?)、恋愛に悩む人にも、今から恋をして本当の愛情を育てていく若い人たちに読んでもらいたい。
ミステリーなんだけど、そう思う。

東野圭吾さん、男性なのに、微妙で意地っ張りで、前向き志向な女性の考え方を把握していらっしゃる。
すごい。

  
タグ :東野圭吾

Posted by うー at 21:37Comments(0)TrackBack(0)小説

2010年03月18日

『西の魔女が死んだ』

著者:梨木香歩
出版社: 新潮文庫
発行:平成13年

『西の魔女が死んだ』を読むのは、2回目。
1度読んだはずなんだけれど、おばあさんと少し心に傷を負った女の子が出てくること、ハーブティーを畑にまいて防虫剤にすること、だけしか覚えていなかったので、また読み直してみた。

読み直して、よかった。

今回の方が、自分の波長にあっていたのだろう。
いろいろなことがストンストンと心に落ちていった。
もやもやとたまっていたこと、どう考えればいいのかとひっかかっていたこと、等への回答に近いものを提示してくれた。

本にも出会う時期があるのだと改めて感じる。

「精神力って、根性みたいなもの?」
・・・・・・・
「根性という言葉は、やみくもにがんばるっていう感じがしますね。おばあちゃんの言う精神力っていうのは、正しい方向をきちんとキャッチするアンテナをしっかりと立てて、身体と心がそれをしっかり受けとめるっていう感じですね」


こういうことを話してくれる年長者は必要だと思う。

「人は死んだらどうなるの」
・・・・・・・
「分かりません。実を言うと、死んだことがないので」

真面目そうでいて、会話にウィットが効いている。

でも、ちゃんと考えて答えてくれる。
「おばあちゃんは、人には魂っていうものがあると思っています。人は身体と魂が合わさってできています。・・・・・」
死後のことに関するおばあちゃんの話は続きます。このつづきは、本の中でにこにこ

読んでいる最中に何度も、『娘にも読んで欲しいな』、と思いました。

子どもって、親がいつ死んでしまうのか、恐怖に感じる時期があるようです。
この本は、そんな気分の娘に寄り添ってくれるように思います。


生活の知恵もいくつか載っているのが、とても印象に残っています。

野いちごのジャムを作るシーン、鍋でフキンを煮て真っ白にするシーン、、、
こういう描写、大好きなんですハート  
タグ :梨木香歩

Posted by うー at 21:24Comments(0)TrackBack(0)小説

2010年03月18日

『きつねのはなし』森見登美彦

作者:森見登美彦
出版社:新潮文庫

『夜は短し歩けよ乙女』がハッピーで楽しい小説だったので、そのノリを期待して買った。

全然違った。

怖い。
ねっとりと、じっとりと、怖い。

でも、面白い。

不思議なお話が4話。
京都の、古い物の持つ力が言葉を介して迫ってくるような。

私は寝る前に1~2時間ほど本を読むのが習慣になっているが、分厚い本でも3日で読みきる。

でも、このお話は1日に1話の半分か1/3しか進むことができなかった。
じっくり、ゆっくり、薄暗い路地を歩くように、じんわりと読んだ。

言葉の魔力だ。
森見さんのような文章力が欲しい!!  
タグ :森見登美彦

Posted by うー at 21:22Comments(0)TrackBack(0)小説

2010年03月09日

『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦

作者:森見登美彦
出版社:角川書店
平成18年11月30日初版発行

京都の地名や店の名前が出てきて、面白い。

京都の町や神社仏閣や大学を回りまわって、慎重に不器用に唐突に築かれていく恋のおはなし。

マニアックに京都の地名や行事が出てくるなと思っていたら、作者は京都大学農学部の出身。

私は神戸出身だが、高校の遠足で行った頃から京都に魅了されて、ただ京都に通学したいがために大学を京都に決めた。経済的な理由から下宿は無理だったため、自宅から阪急電車で1時間半かけて通った。授業は真面目に出なかったが、大小を問わず博物館、展示館、美術館、神社仏閣には、バスを乗り継ぎあちこちへ出掛け、小さな通りや町並み、市場まで、その空間の雰囲気を自分の中に取り込みたくて、絵や展示品、調度品、襖の金具、床の間の花から、柱の木目、家々の格子まで、じっと眺めていた。

歳月を経て、忘れかけていたあのとき感じた空気感。
歴史の染み込んだ古い町にしかない空気感を、じわじわと文字を追いながら思い出し、ワクワク、ゾクゾクしながら物語の世界に引きずり込まれていく。
楽しい~!
また、京都行きた~い!!  
タグ :森見登美彦

Posted by うー at 10:31Comments(0)TrackBack(0)小説